こどもたちが読む本について見あたらないものが3つあった

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こんにちは、殿内(@tonoccho)です

うちのチビは小学校から本を持って帰ってきて宿題として読む練習をしています。日本でも教科書を読むという宿題は結構あったと思います。ですが、こちらでは科目ごとに教科書を受け取るということは今の所ないので、図書室の本から先生が一冊選んで渡しているようです。

昨今ネットで、アンパンマンやクレヨンしんちゃんが子供の教育に良くないのでは、という話を見ます。なので、こちらでこどもたちに与えられる本の特徴を書いてみて日本と比べるのはいいかもしれないなと思いました。

アンパンマンの問題とはなにか?自分の感じていること

「えーそうなの?」とか言いそうな感じですが、「最終的にアンパンチでばいきんまんをぶっ飛ばすという物語は子供に悪影響がるんじゃないか」という話です。ようは暴力肯定しているわけですし。実際にそういう漫画やテレビで見たことを真似する子供って結構いますよね。自分も子供のころ結構北斗神拳で秘孔突かれたり、パロ・スペシャルかけられたりしていました。流石に中学生くらいにもなるとそういうことはしなくなるんですが、小学校低学年くらいまでは結構ありました。

まぁ、その子達が「暴力って楽しい!もっとやりたい!」と思っているかは別としても、そういうことを無邪気に真似されて怪我とかしたら結構大変です。

また、勧善懲悪の物語は、「自分が正義で相手が悪ならいくら懲らしめてもいい」という捉え方をする可能性もあるわけですから、そういうものがフィクションであることとか、現実には善悪は簡単には決められないという理性が身につくまではあまりそういう価値観をもたせるのも危険といえば危険です。

当然そういうのは子供によりますが、だからといって「キチンと見れない子供やきちんと見れなそうな子供にキチンと教育しない親がどうかしている」という結論もまた乱暴なわけです。

ここNZでは子供が触れる本とかテレビ番組はどういう様になっているのかという話で、このエントリーを持って日本とニュージーランドの子育てをぶった切ってやろうということです。

NZで子供が読む本の特徴

まず、NZで子供が小学校に入り、学校からリーディングの宿題の本をちょこちょこ持ってくるんですが、日本で読むホントは明らかに違うポイントがあります。

特徴1,物語がない

ごく初期に読む本にはなんの物語もありません。ようは起承転結がないわけです。写真が貼ってあって「これは木です」とか「これは猫です」とかしか言いません。一応導入で「森に来ました、動物を探しましょう」というページはあったりしますが、ないこともあります。基本的に物語ではありません。

最近になってやっと起承転結っぽい感じが出てきましたが、それでも一巡しかしないわけです。

特徴2,価値観がない

ようは「これはいいこと」とか「これは悪いこと」というものがないんですよね。桃太郎なら「悪い鬼を退治した桃太郎は正義の味方」みたいな価値観がありますが、こちらの絵本にはそういうものはありません。ただ、「買った服が小さくて着れない、困った」というものはあります。だからといって親が「ゴメンね小さかったね」と言ったりしません。ただ困るだけです、そこになんの価値判断もありません。

もうちょっと大きい子が読む本になると悪者とか正義の味方とか出てくるようになるようです。6歳のうちはそういう感じの話はまだ出てきていません。

特徴3,内容が少ない

自分が小学校一年生のときにどんなお話を読んだかはあまり覚えていないんですが、多分こっちの子供が読む本よりも遥かに情報量が多いと思います。子供が読む本は、ページの80%位が絵で、そこに文章が1〜3センテンスついている感じで、そのセンテンスも基本的には絵を説明しています。センテンスに書かれたことはすべて絵にも書かれています。

こういった本の狙い

こういう本の狙いはどうも2つあるようで、一つは文字を読めるようになること、もう一つは「読んで理解すること」みたいです。ようは読解力ですね。

悪者を退治してスッキリしてもらおうとかそういうのはないようです。本当に物語自体は「起伏もなく淡々と進む」という感じです。

つまり、こちらの教育では予想するに以下のような順序で「読む」という行為を訓練しているように見えます。

  1. 文字を読めるようにする
  2. 文章を読めるようにする
  3. 絵と文章を関連付けて考えられるようにする
  4. 内容の前後関係で考えられるようにする

多分日本でもそれは変わらないのかもしれないんですが、このポイントにだけ集中している感じです。なにかこう、友情とか、いいことしようとか、そういう価値観は一切入ってこないあたりさっぱりしていると言えます。

親にとってのメリット

さて、こういった本が親にとってメリットがあるかという話ですが、自分としてはあると思います。

シンプルな絵と文章だけの本なので、子供が「本当に読めているか」というのがわかりやすいからです。例えば「この絵に書かれた子供は今楽しそう?それとも悲しそう?」ということを聞きます。子供は「うーん、悲しそう」と答えます。親は「じゃぁほんとに悲しいのかを探してみようか」という話をして文の中に「xxは悲しくなりました」と書いてあれば正解になります。こういったクイズ形式で進めることもできます。

もうちょっと進めると「この絵に書かれた箱は誰が持ってきたもの?」という問題を出して「うーん、おじいちゃん!」と答えて「なんでそう思ったの?」と聞いて説明させるということもできます。ちなみにうちのチビはこのへんで「だってそういう雰囲気じゃん」みたいなことを言い出して、あーきちんと読めてないな、ということもわかりました。

シンプルであるがゆえに、ページごとの絵の関連、文と絵の関連、といったものをキチンと理解しながら読めているかがわかるというのは役に立ちます。しかも先生の選ぶ本がだんだん高度になってきています。大体こんな感じにステップアップしているように思います。

何より大事なのは先にも行ったように「価値観」というものがない点だと思います。

アンパンマンが教育上よくないと言われているのは「バイキンマンは悪いからパンチでやっつけていい」というような価値観がよみとれるからだと思います。また、「悪者」と「正義の味方」が物語に登場すれば「解決」に導く必要が出てきて、それは結局「正義が悪に勝つ」という勧善懲悪になるわけです。そして問題は「正義による悪への暴力は解決手段」という点です。確かにそういうのはよくなさそうです。客観的に何が善で何が悪かを説明できそうもありませんから。

ですがそういった価値観がないがゆえに「本を読むことに集中できる」ということも言えるわけです。読んだ後に「あいつ悪いやつだったね!」とかそういう話にもなりません。

また、先生が子供の性格とかを見てどういう本なら楽しめるかな、と選べるのはかなり大きいと思います。

親にとってのデメリット

もちろんデメリットもあります。

まず、大人目線で見るとこういった本ってつまらないんですよね・・・淡々としすぎていて、なので子供と楽しむには親にもひと工夫いる気がします。例えばさっきも書いたように何かしらのクイズを出すとか。単に読むだけであれば一冊10分位で終わるので、何かしらの楽しみを追加しないと結構きつい。

日本の教材をちょっと見てみた

そう思ってウェブサイト見てみたんですが例えば 小学校一年生の教科書 で「あさ」という話があります。みんななかよしいいことですね的なお話のようです。

PDFにもあるようにお互いの良さを認めるとか書かれていますが、チビの行っている学校ではそういうの別にないんですよね。仲良くなりたい同士が勝手に仲良くなっていく感じだったりします。なのでやはり教材に製作者の意図が込められている点で日本とNZの教育って結構違うんだなと思いました。サンプル数は日本の小学校(自分が経験した1校)とNZの小学校(いまチビが行っている1校)なので、あまり全体的な話じゃないんですけどね。

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